Appleは「WWDC20」の基調講演ラインナップを発表しました。今年で31年目となる「WWDC20」はオンラインのみという前例のない試みで米国時間6月22日午前10時〜26日に開催されます。
基調講演イベントはApple公式サイトやApple Developerアプリ、Apple Tv、YouTubeから閲覧が可能となっています。なお、日本時間では6月23日午前2時からとなっています。
発表する内容の詳細はまだ明かされていませんが、iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOSなどの次期OSについてとされており、新型「iMac」や紛失防止タグ「AirTags」などの発表の可能性も予想されています。
今回は次期OSである「iOS14」について現段階で明らかにされている機能をまとめました。
「WWDC20」で発表が予想されている「iOS14」の新しい機能まとめ
現段階で海外メディア9To5Macで明かされている「iOS14」の情報についてまとめました。なお、最終的に変更となる場合もあるため正式発表とは異なる場合があるので注意が必要です。
ホーム画面
ホーム画面では、インストールされているアプリをリストで表示する機能がiOS14のiPhoneに搭載される可能性があるとされています。これはApple Watchにすでに備えられている機能と同様のもので、このリストによりアルファベット順に整理することが可能となります。また、表示フィルターを設定し最近使用したアプリや未読の通知のあるアプリなどのアプリカテゴリを表示できるとされています。
iOS14ではホーム画面のウィジェットオプションを提供することもでき、これにより、アプリアイコンのように移動できるウィジェットの設置が可能となるとされています。
Safariに自動翻訳機能
iOS14のSafariでは翻訳機能が追加されると言われています。これはすでにGoogle Chromeには備えられているものではありますが、Safariでも使えるようになると便利になりますね。
フィットネスアプリの提供
Appleは、iPhone、Apple Watch、Apple TV向けのフィットネスアプリの開発に取り組んでおり、さまざまなワークアウトを案内するフィットネス関連のビデオをダウンロードできるようになると言われています。
また、「Apple Watch」は、iPhone、iPad、またはApple TVに表示されるトレーニングルーチンの進行状況を追跡するために使用され、屋内ランニング、サイクリング、ローイング、ストレッチ、コアトレーニング、筋力トレーニング、屋外ウォーキング、ダンス、ヨガなど、さまざまな種類のトレーニングがあります。
Appleは健康管理により力を入れているようで、日本においても心電図機能を使えるようになる可能性もあると言われており、今後「Apple Watch」が必須アイテムとなるのかもしれません。
メッセージアプリの新機能
Slackのようなメンションシステム
AppleはiMessageのさまざまな新機能をテストしており、ユーザーが@で自分の名前の連絡先にタグを付けることができる、Slackと似た新しいメンションシステムが予想されています。グループチャットでは、この機能により会話をミュートできますが、直接@でメンションが含まれている場合はプッシュ通知を受信できるようになります。
LINEのようにメッセージの取消が可能に
iMessageを送信した後で撤回する機能にも取り組んでおり、撤回は送信者と受信者の両方に見えるようになっています。これはLINEのメッセージ取消機能と似たようなものと想像する事ができます。
メッセージのグループ入力インジケーター
グループチャットで入力インジケーターを見る事がことができるようになり多人数のチャットで誰が入力しているかを確認する事が可能となります。
iOS14のメッセージに未読としてマーク
メッセージに未読のマークを付ける新機能を追加。これにより、未読のアイコンを保持し未読メッセージをより目立たせることができるため、返信忘れを防止する事が可能となります。
アクティビティアプリの導入
watchOS 7はキッズモードを「Apple Watch」に持ち込み、iOS14はキッズモードに対応するために調整されたアクティビティアプリを追加すると言われています。キッズモードのアクティビティアプリは、アクティブカロリーを追跡するのではなく移動時間を追跡するとのことです。
新しいARアプリの導入
AppleはiOS14に新しいARアプリを導入することを計画している可能性があります。このアプリは、ARを介して「自分の周りの世界についてより多くの情報を得る」ことを可能にすると言われています。
このARアプリは、Apple StoreやStarbucksとの統合を特徴としている可能性があり、例えば、Apple StoreでiPhoneをかざして展示されている製品に関する情報や価格を表示し機能の比較をする事が可能となります。エリア内のQRコードタグを介してどの拡張機能を開始するか認識するとの事です。また、Appleの「AirTag」がトリガーとして機能する可能性もあるとの事です。
サードパーティのアプリをデフォルトとして設定する事が可能に
iOS14ではiPhoneおよびiPadユーザーがサードパーティのメール、ブラウザ、音楽アプリをApple独自のアプリではなくデフォルトとして設定することが可能となります。
この変更により、Google ChromeやGmailなどのアプリをiOSデバイスのデフォルトアプリとして設定できるようになるため、リンクやメールアドレスをタップしてもApple純正のアプリを開かずGoogle ChromeやGmailを起動する事が可能となります。
睡眠追跡アプリ
次世代のApple Watchで導入が予想されている睡眠追跡機能は、iPhoneのHealthアプリと統合され、個別の睡眠目標を設定できるようになり、睡眠を改善するための推奨事項も提供されるようになるとの事です。
探すアプリの改善
iOS14の「探す」アプリでは、予定された時刻に特定の場所に到着していない時、通知を行う事が可能となります。例えば、子供が学校に到着したときに通知するように設定する事や子供が時間までに学校に行かなかった場合、通知が送信されるという設定が可能となります。
CarPlay
iOS 14のCarPlayはカスタム壁紙をサポートし、CarPlayインターフェースに壁紙を表示します。壁紙は時刻に基づいて明るいモードと暗いモードを自動で切り替えます。
CarKey
iOS13.4で新しい「CarKey」APIが発見されています。これによりiPhoneを使用して、NFC機能を備えた車をロックしたりロック解除が可能となります。共有機能は、メッセージアプリを使用して、友人や家族にキーを割り当てるためにも使用できます。
iOS14の機能として登場する可能性のあるこの「CarKey」は、iPhoneを車のキーのとして使う事が可能となります。NFC機能を備えた車としてはBMWが最初に対応するのではないかと予想されています。
MAP
Appleの純正Mapは、Apple Storeが提供するGeniusバーのサービス情報やIMAXシアターを備えた映画館も紹介してくるようになります。その他、カップル向けの座席、子供向けの割引がある場所、個室のある場所を強調表示するようになるとの事です。
また、純正Mapは、Appleの新製品を購入したい人のために、その店がクレジットのデバイス下取りを提供しているかどうかも表示します。Appleはこれらのショップの確認バッジを提供する可能性があるため、この機能は一部のApple認定サービスプロバイダー(AASP)でも利用できると予想されています。
iCloudキーチェーン
iOS14では、パスワードが再利用されるたびにiCloudキーチェーンに警告が表示されるようになります。ログインごとに異なるパスワードを選択するのに役立つ機能となっています。また、2要素認証パスワードを保存する方法を追加しているようで、これにより、iCloudキーチェーンが2段階認証コードを生成する事が可能となるため、外部アプリの必要性がなくなるとしています。
サードパーティ製アプリをインストールしていなくても使用可能になる「Clips」機能
Appleは、サードパーティ製アプリをインストールする必要なく、サードパーティのアプリの選択したコンテンツを操作できるようにする新機能に取り組んでいます。
「Clips」は、ユーザーがアプリにリンクされたQRコードをスキャンし、画面上のフローティングカードを介してそのアプリのコンテンツを操作できるように設計され、カードにはApp Storeからアプリのフルバージョンをダウンロードするオプションが表示されるか、すでにインストールされている場合はアプリでコンテンツを開くことができます。
Androidにはすでに同様の機能が備えられていますが、AppleはYouTubeやSonyのPS4 Second ScreenアプリでClips機能をテストしていると言われています。
Apple Pencilのアップデート
iOS14には、ユーザーがApple Pencilを使用して任意のテキスト入力フィールドにテキストを手書き入力できる新しいPencilKit機能が導入されます。手書きのコンテンツは、送信前に標準テキストに変換されます。
例えば、Apple Pencilを使用してメッセージテキストフィールドをタップし、メッセージを手書きで入力し、より読みやすいタイプライターテキストに変換して送信することができます。
新しいPencilKit機能は、iOSの任意のテキスト入力フィールドで機能しメッセージ、メモ、リマインダー、メールなどと互換性があると言われています。
HomeKitの新機能
ライトのナイトシフト
ライトのナイトシフトという機能により、HomeKitは、HomeKitに接続されたライトの色温度を時刻に基づいて調整できます。日の出初めには、太陽からの屋外の光に合わせて青色の照明が設定され、夜になると照明は暖かい色調に変化します。MacおよびiOSデバイスで利用できるナイトシフト機能のライトベースのバージョンで、青色光の露出を抑える事ができるようになるとの事です。
カメラの顔認識
新しいHomeKitのビデオ機能は、人物識別を追加しセキュリティカメラが特定の人物を検出し、家族の人々を見知らぬ人から区別することができます。HomeKit Secure Videoはすでに、人、動物、車両などのオブジェクト認識をサポートしています。
その他の注目機能
カスタム音声シンセサイザ
Appleは、VoiceProviderと呼ばれる新しいフレームワークを通じて、開発者がiOSでカスタム音声シンセサイザーを提供できるようにする方法を模索しているようです。
音声合成拡張機能は、App Storeのアプリに導入され、Appleがサポートしていない言語や方言にとって重要となる可能性のある機能で、デフォルトのスピーチ音声を置き換えるために使用できるとの事です。
iOS14の壁紙管理
Appleは、ユーザーが利用可能な壁紙を整理できるようにする壁紙カテゴリを実装していると言われています。
アクセシビリティの更新
iOS14では、聴覚障害のある人のために、火災警報器、ドアノック、ドアベルなどの音を検知する機能を導入するとの事です。
「iOS14」の対応デバイスは?
iPhoneの「iOS14」対応デバイス一覧
iOS14のアップデート対象デバイスはiOS13と同等になると言われています。iPhone6以前のデバイスは対象外となるようです。iPhone SE(第1世代)は対象となっています。対応デバイスは以下の通り。
- Phone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone 11
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPhone X
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone SE(第1世代)
- iPhone SE(第2世代)
- iPod touch(第7世代)
iPadの「iOS14」対応デバイス一覧
iPadに関しては、iPadOS14アップデートは、iPad mini (第4世代)とiPad Air (第3世代)を除き、iOS13を実行できるすべてのiPadと互換性があると予想されています。対象デバイスは以下の通り。
- 12.9インチiPad Pro
- 11インチiPad Pro
- 10.5インチiPad Pro
- 9.7インチiPad Pro
- iPad(第7世代)
- iPad(第6世代)
- iPad(第5世代)
- iPad mini(第5世代)
- iPad Air(第3世代)
「iOS14」はいつ提供されるのか
気になるiOS14のリリースですが、これまでのリリースから見ると「WWDC20」で正式に内容が発表され、次期iPhoneとともにリリースが表示されていますので、9月ごろ正式リリースというのが今までのパターンとなっています。ただし、新型コロナウィルスの影響でiPhone12の生産に遅れが生じる可能性も言われており正確な時期については今後の情報を待ちましょう。
さいごに
今回は現段階でわかっている情報をまとめました。かなり楽しみになる機能がありますが、実際の正式発表までに変更となる可能性があるので注意が必要です。
様々な新機能の発表がある「WWDC20」は日本時間では6月23日午前2時からとなっています。あと少しなので楽しみに待ちましょう。
基調講演イベントはApple公式サイトやApple Developerアプリ、Apple Tv、YouTubeから閲覧可能となっています。
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