Appleは本日(日本時間2021年6月8日2時)より開催された「WWDC21」の基調講演でiPhone用の次期OSである「iOS15」を正式発表しました。
iOS15はiOS14の時のような大幅な変更はないものの、FaceTimeのメジャーアップデートや気が散ってしまうことを減らす新機能「集中モード」の他、通知機能の改善などiPhoneを使う上で便利になる機能が多数追加されています。
iOS15で新しく追加および改善する機能は以下のとおりとなっています。
iOS15で新しく追加および改善する機能のまとめ
FaceTime
- Apple製デバイス以外(AndroidデバイスやWindowsデバイス)でもFaceTime通話が可能
- 空間オーディオにより、FaceTime通話の声が画面上の相手の位置から発せられているように聞こえる
- 新しいマイクロフォンのモードにより、周囲のノイズからユーザーの声を分離し聞き取りやすくなる
- 背景をぼかす事ができるポートレートモードが利用可能
- グループFaceTimeの新しい「グリッド表示」により、参加者はさらに多くの顔を同時に見ること可能
- SharePlay機能により、FaceTime上で友人とつながりながら音楽試聴や動画鑑賞等の体験を共有可能
集中モード
- 「集中モード」により、ユーザーが何に集中したいかに基づいて、通知やアプリケーションを絞り込むことが可能
- 「仕事」や「睡眠」など提案された「集中モード」を使って通知を絞り込むことが可能
- 通知を許可する人やアプリケーションを提案する独自の「集中モード」の作成が可能
- 「集中モード」によって通知がブロックされた場合は、そのユーザーが現在連絡できない状況にあることを相手のメッセージアプリに自動的に表示
通知
- デザインを刷新
- 時間的制約がない通知を朝や夜などの適切なタイミングにまとめて配信する「通知要約」機能の導入
- 通知を優先順に整理し、ユーザーの使い方に基づいて、最も関連性の高い通知を一番上に表示
- 重要なやり取りを見逃さないように緊急のメッセージはすぐに配信される
- アプリの通知やメッセージ通知を1日ミュートや1時間後までミュートなどの設定可能
カメラ
- 写真の中のテキストを認識する「テキストの認識表示」機能の追加
- 写真の文字を認識可能(中国を含む7カ国語で利用可能。日本語は未対応)
- アート作品や植物や花、ペットの種類などを調べることができる「画像を調べる」機能の追加
Spotlight検索
- 場所、人々、風景、被写体別に写真の検索が可能
- 「テキストの認識表示」機能により、写真の中のテキストや手書き文字の検索が可能
- ウェブ上の画像検索や豊富な検索結果を提供
- 連絡先の検索結果では、相手との最近の会話や共有された写真を表示
-
「探す」で共有されている場合は現在位置を表示
写真
- 写真アプリのメモリーにApple Musicを導入し、写真やビデオに合った曲をパーソナライズして提案
Safari
- Safariのデザインを刷新
- 画面下部に配置される新しいタブバーにより、タブ間を簡単にスワイプ可能
- タブを保存することができる「タブグループ」により、iPhone、iPad、Macのどのデバイスからも簡単にアクセスが可能
- スタートページのカスタマイズが可能
- ウェブ機能拡張などの新機能の追加
マップ
- インタラクティブな地球儀を導入
- 標高表示に対応
- 月に照らされた新しい夜間モードに刷新
- ナビ時に右左折車線、中央分離帯、自転車レーン、歩行者用横断歩道などを3次元表示
- 特別にデザインされたランドマークの表示
- 最寄りの駅を簡単に見つけたり、よく使う路線をピンで固定が可能
- 交通機関のルート案内で下車時間に通知する機能
- iPhoneを掲げるだけで、正確な位置を取得し、徒歩での方角を拡張現実で表示
Wallet
- 自宅やオフィス、ホテルの鍵を追加可能(ハイアットリージェンシーホテルが対応予定)
- 車のデジタルキーが進化。iPhoneをポケットや鞄に入れたまま、対応する自動車を安全にロック解除して発進させることが可能
- 運転免許証または州発行の身分証明書を追加可能(アメリカの対象となる州に限る)
プライバシー機能の強化
- メールが開封されたかどうかを送信者に知られないようにする「メールプライバシー保護」機能の導入
- 過去7日間に位置情報、写真、カメラ、マイク、連絡先にどのようにアクセスしたか、どの第三者のドメインとやり取りをしたのか等の概要を提供する「アプリケーションのプライバシーレポート」の導入
天気
- デザインの刷新
- 風速やUV指数、気圧、高解像度天気図などの表示に対応
メモ
- メモを素早く簡単に分類できる「タグ機能」の導入
- 共有メモのメンバーが重要な変更を行った場合に相互に通知できる「名前の言及」機能の追加
- 共有メモの最近の履歴を表示する「アクティビティ表示」を導入
探す
- オフになっているデバイスや消去されているデバイスを見つけたり、位置情報を共有する選択をしている家族や友人の現在位置を把握したりするのに役立つ新しい機能の導入
- AirTag、Apple製デバイス、「探す」ネットワーク対応アクセサリを普段とは異なる場所に置き忘れると、ユーザーに通知する「手元から離れたときに通知」機能の導入
- AirPods ProとAirPods Maxに対応
設定
- iCloudのサブスクリプションを利用していなくても、データをiCloudに一時的にバックアップし、新しいiPhoneにデータを転送可能
iCloud+の導入
- 「メールを非公開」や拡張されたHomeKitセキュアビデオ対応などのプレミアム機能が追加料金なしで利用可能。
- 現在iCloudのサブスクリプションを利用しているユーザーは今秋より自動的にiCloud+にアップグレード
- iCloud+プランは同じファミリー共有グループのメンバーで共有可能
iOS15が利用できるiPhoneの機種一覧
以前の情報によるとiOS15では「iPhone 6s/6s plus」および「iPhone SE(2016)」は対象外になると予想されていましたが、今回正式発表により、現在のOSである「iOS14」と対応デバイスは変わっていないとのことです。
「iOS15」の対応機種は以下の通り
- iPhone 12 Pro Max
- iPhone 12 Pro
- iPhone 12 mini
- iPhone 12
- iPhone 11
- iPhone 11 Pro
- iPhone 11 Pro Max
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPhone X
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone 7
- iPhone 7 Plus
- iPhone 6s
- iPhone 6s Plus
- iPhone SE(2016)
- Phone SE (2020)
- iPod touch(第7世代)
iOS15は今秋に一般公開
iOS15のデベロッパー向けプレビューは本日6月8日より「developer.apple.com」を通じて「Apple Developer Program」メンバーに提供されます。
デベロッパ以外の一般ユーザーに対しては、来月中にパブリックベータ版が「beta.apple.com」で提供される予定となっています。
なお、一般公開の正式リリースは今秋行われる予定です。