Appleは、現地時間2023年6月5日「WWDC23」の基調講演の中で、iPad用の次期OS「iPadOS 17」を発表しました。
iPadOS 17では、再設計されたロック画面とインタラクティブウィジェット、PDFとメモの賢い新機能、メッセージ、FaceTime、Safariのアップデートと新しいヘルスケアプリが導入されています。
iPadOS 17の特徴
ロック画面の刷新
ウィジェット機能の強化
メモアプリを大幅アップデート
メモアプリが大幅にアップデートされ、新しい方法でPDFを整理したり、読んだり、注釈を加えたり、共同作業をすることが可能に。
PDFが全幅表示され、ページをめくったり、すばやく注釈を追加したり、Apple Pencilで文書に直接スケッチをしたりするのが容易にできるようになっています。
自分のメモから直接PDFやスキャンした文書を確認し、注釈を加えることができるほか、Live共同作業により、メモをほかのユーザーと共有した際にアップデートがリアルタイムで表示されるようになっています。
メッセージアプリのアップデート
Safariの改良
Safariの改良が行われており、仕事とプライベートなど、目的ごとにブラウズすることが可能になっています。
プロフィールごとに独自の履歴、Cookie、タブグループ、お気に入りが保存され、切り替えも簡単にできるようになっています。
また、「プライベートブラウズ」により、Face IDまたはTouch IDを使って、表示しているウインドウをロックできるほか、サイト越えトラッキングに使用されているトラッカーを削除することができます。
この他、応答性の向上、より関連性の高い検索候補の提示、候補の読みやすさが向上されています。
ヘルスケアアプリの導入
この他iPadOS 17の機能一覧
- ステージマネージャは、ウインドウの位置とサイズの柔軟性がさらに高まり、ワークスペースをさらにコントロールできるようになります。また、外部ディスプレイの内蔵カメラに対応します。
- フリーボードでは、新しい描画ツール、ポイント機能、傾き、図形に変換への対応、すべてのオブジェクトに接続線と新しい図形を追加する機能、および共同作業者をボード内でガイドする「フォロー」が提供されます。
- Spotlightは、次のアクションへのショートカット、強化された画像検索結果、ビデオ検索を提供し、ユーザーがこれまで以上にすばやく情報を見つけてアクションを実行できるようにします。
- 「画像を調べる」では、認識機能が食べ物、店舗、標識、衣服の洗濯表示タグなどの物に付けられた記号にまで拡張されます。
- キーボードでは、自動修正が向上し、かつてないほどすばやく簡単にテキストを入力できます。インラインの予測テキストによって、ユーザーは文章をすばやく書き終えることができ、音声入力の新しい音声認識モデルによって精度が向上します。
- Siriは「Siri」と言うだけで起動するようになります。起動後は、再び起動しなくても複数のコマンドを連続して伝えることができます。
- デバイス上の知能がユーザーの好みを学習するので、AirPlayを使ったコンテンツの共有が一段と簡単になります。AirPlayは、ホテル内の対応するテレビでも機能するため、旅行中も簡単にお気に入りのコンテンツをテレビで楽しめます。この機能はプライバシーとセキュリティを基盤に構築されており、インターコンチネンタルホテルズ&リゾーツ系列から開始して、年内に一部のホテルで利用可能になります。
- リマインダーでは、新たな賢い買い物リストの体験が導入され、関連する商品が自動的にグループ化されてセクションにまとめられるので、買い物がより簡単になります。また、セクションを画面上で水平に表示する新しいカラム表示が提供されます。
- マップでは、マップをダウンロードしてオフラインで使えるようになります。ユーザーはエリアを選択したり、場所に関する豊富な情報を検索して調べたり、あらゆる移動手段の経路を確認するといったことをすべてオフラインで実行できるようになります。
- プライバシーのアップデートでは、「コミュニケーションの安全性」が拡大され、子どもたちの保護や、大人向けの「センシティブな内容の警告」が追加されます。写真とカレンダーの許可のアップデートによって、ユーザーがアプリと共有するデータについて、理解を一段と深めた上で選択できるようになります。さらに、ロックダウンモードがアップデートされ、金銭目的のスパイウェアの標的になる可能性があるユーザーに対する保護が強化されます。
- 新しいアクセシビリティツールによって、iPadはさらに利用しやすくなります。アシスティブアクセスは、認知障がいを持つユーザーがiPadをさらに簡単に、自立して使えるようにするためのカスタマイズ可能なインターフェイスです。ライブスピーチは、非発話者のユーザーが、電話、FaceTime、対面での会話の際に、自分が話したいことを入力して読み上げるのに役立ちます。パーソナルボイスは、発話能力を失うリスクのあるユーザーに、自分が話しているように聞こえる声を作るオプションを提供し、ライブスピーチとシームレスに統合します。拡大鏡では、「ポイントして読み上げ」により、視覚障がいのあるユーザーはテキストラベルが小さい家電やその他の対象物を操作しやすくなります。
iPadOS 17の対応機種一覧
iPadOS 17の対応機種は以下の通り。「iPadOS 16」ではサポート対応となっていた「iPad (第5世代)」と「iPad Pro (第1世代)」はサポート対象外となっています。
- iPad Pro (第2世代)以降
- iPad Air (第3世代)以降
- iPad (第6世代)以降
- iPad mini (第5世代)以降
iPadOS 17の提供について
iPadOS 17のデベロッパ向けプレビューは、本日より、developer.apple.comを通じてApple Developer Programのメンバーに提供されます。iPadユーザーに対しては、来月中にパブリックベータ版がbeta.apple.comで提供されます。
iPadOS 17は、無料のソフトウェアアップデートとして、今秋より一般向けに提供開始されます。