Appleは、現地時間2024年6月10日、Apple Watch用OSの次期OS「watchOS 11」を正式発表しています。
watchOS 11では、新しいバイタルアプリの導入によるトレーニングの負荷の測定や、アクティビティリングのカスタマイズ機能の導入、スマートスタックと「写真」文字盤のカスタマイズ機能のほか、翻訳アプリをApple Watchに導入します。
watchOS 11の注目新機能
watchOS 11での注目の新機能は以下の通り。
- 新しいバイタルアプリの追加
- 妊娠中のユーザーへのサポート機能
- アクティビティリングのカスタマイズ機能の導入
- スマートスタックと「写真」文字盤のカスタマイズ機能
- 20言語に対応する翻訳アプリの追加
- ワークアウト中を含め、Apple Watchで到着確認を利用可能
- ダブルタップAPIがサードパーティのアプリでも利用可能
新しいバイタルアプリの追加
新しいバイタルアプリでは、睡眠中に、重要な健康指標である心拍数、呼吸数、手首皮膚温、睡眠時間、血中に取り込まれた酸素のレベルを測定し、Apple Watchがこれらの指標を分析することで、日々の健康状態をチェックしたり、注目すべき指標を一目で確認したりすることができ、それらがユーザーの通常の範囲から外れている場合(2つ以上の指標が通常の範囲から外れている場合)に通知とともに、これらの特定の指標が、高度の変化、飲酒量、さらには病気など、自身の生活のその他の側面とどのように関連している可能性があるかを詳しく説明するメッセージを受け取ることができるようになります。
また、28日間のトレーニングの負荷を算出し、アクティビティアプリまたはiPhoneのフィットネスアプリで、トレーニングの負荷をバイタルアプリの情報と共に表示できるほか、バイタルアプリの中でトレーニングの負荷を確認することもできるようになっています。
妊娠中のユーザーへのサポート機能
妊娠中のユーザーへのサポート機能を強化し、ユーザーがiPhoneまたはiPadのヘルスケアアプリで妊娠を記録すると、Apple Watchの周期記録アプリに妊娠期間が表示され、妊娠中によく起こり得る症状を記録することが可能になります。
また、妊娠中は心拍数が高くなる傾向があるため、高心拍数の通知のしきい値などを確認するよう促されるほか、うつ病などのリスクを防ぐための検査を促すリマインダーや、転倒の危険性があると考えられる場合により早く通知することも可能となっています。
スマートスタックと「写真」文字盤のカスタマイズ機能
スマートスタックで、Shazam、写真、距離などの新しいウィジェットが利用できるようになります。
さらにスマートスタックでは、時刻、日付、場所、日課などにもとづいてウィジェットを提案するため、例えば、雷雨の前に重大な気象警報の新しいウィジェットを表示させるなど、ユーザーが必要とする時にApple Watchで各機能にアクセスするのが容易になります。
また、「写真」文字盤では、機械学習を使って何千枚もの写真をすばやく分析し、美しさ、構図、顔の表情にもとづいておすすめを提案してくれるようになります。
「写真」文字盤では、ダイナミックモードが提供され、手首を上げるたびに表示される新しい画像を楽しむこともできます。
20言語に対応する翻訳アプリの追加
watchOS 11では、20言語に対応する翻訳アプリが導入され、ユーザーは手首から直接、対応している20言語の翻訳にアクセスすることができるようになります。
スマートスタックの新しい知能により、ユーザーがApple Watchの設定と異なる言語が使われている場所に移動している時、Apple Watchはおすすめの翻訳アプリのウィジェットを自動的に提供することもできるようになっています。
その他の新機能
- ワークアウトアプリは、サッカー、アメリカンフットボール、オーストラリアンフットボール、アウトドアホッケー、ラクロス、ダウンヒルスキー、クロスカントリースキー、スノーボード、ゴルフ、アウトドアローイングなど、強化されたGPS測位を使って距離を記録できる、より多くの種類のワークアウトを提供します。ユーザーは、さらに多くの種類のワークアウトでルートマップを確認することもできます。
- プールスイミングでカスタムワークアウトを使えるようになり、ユーザーは、ワークと回復のセットに対応したインターバルベースのワークアウトと、次のインターバルに移るタイミングを知らせる触覚による通知をカスタマイズできます。どのカスタムワークアウトでも、新しい「次へ」ワークアウトビューに、現在のインターバルの残りとともに次のインターバルの概要が表示されます。
- Appleマップでは米国のすべての国立公園のハイキングコースが提供され、それをApple Watchに保存して、iPhoneが近くになくてもオフラインでアクセスしてターンバイターンの案内を利用できるようになります。また、ユーザーはiPhoneのマップアプリで独自のウォーキングコースを作成して保存することもできるので、あとからApple Watchだけでコースをたどることができます。
- Apple Intelligenceによって実現する通知の要約は、iPhone 15 ProとiPhone 15 Pro MaxからApple Watchに転送されます。
- チケットの機能強化により、開場時間や開演のタイミングなど、Appleウォレットのチケットに関するユーザーへの情報提供を向上させます。イベントではライブアクティビティが開始するので、ユーザーは自分の座席やその他の重要な情報をスマートスタックの一番上で確認できます。
- Tap to Cashを使うと、ユーザーはApple WatchをほかのApple WatchまたはiPhoneに近づけるだけで、Apple Cashの送信や受領ができるようになります。
watchOS 11が利用できるApple Watch一覧
watchOS 11の対応機種は以下の通り。今回から「Apple Watch Series 4」「Apple Watch Series 5」「Apple Watch SE (第1世代)」はサポート対象外となっています。
- Apple Watch SE (第2世代)
- Apple Watch Series 6
- Apple Watch Series 7
- Apple Watch Series 8
- Apple Watch Series 9
- Apple Watch Ultra
- Apple Watch Ultra 2
watchOS 11の正式リリースは今秋
watchOS 11のデベロッパ向けベータ版は、本日より、developer.apple.comを通じてApple Developer Programのメンバーに提供されます。
パブリックベータ版は来月よりbeta.apple.comで提供され、正式版のwatchOS 11は、無料のソフトウェアアップデートとして、今秋リリースされ、iOS 18が搭載されたiPhone Xs以降とペアリングされているApple Watch Series 6以降で利用可能となっています。
詳細は以下リンクからどうぞ。